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(四) イエスはなぜ雲に乗って再臨されると言われたのか

イエスが、雲に乗って再臨されると言われたのには、二つの理由があった。第一には、偽キリストの惑わしを防ぐためであった。もしイエスが地上で肉身誕生によって再臨されるということを言われたとすれば、偽キリストの惑わしによる混乱を防ぐことができなかったであろう。イエスが卑賤な立場から立ってメシヤとして現れたのであるから、いかに卑賤な人であっても霊的にある基準に到達するようになれば、それぞれが再臨主であると自称するようになって世を惑わすからである。しかし、幸いにもあらゆる信徒たちがイエスが雲に乗って来られると信じ、天だけを仰いできたので、この混乱を免れることができたのである。ところが今はときが到来したので、イエスが再び地上で誕生されるということを、明らかに教えてやらなければならないのである。
第二には、険しい信仰の路程を歩いている信徒たちを激励するためであった。イエスはこのほかにも、なるべく早く神の目的を達成しようとされて、信徒たちを激励されるために、前後のつじつまがよく合わないようなみ言を語られた例が少なくなかった。その実例を挙げてみると、マタイ福音書一〇章23節に、イエスは弟子たちに彼の再臨がすぐに成就されるということを信じさせるために、「よく言っておく。あなたがたがイスラエルの町々を回り終らないうちに、人の子は来るであろう」と言われたみ言が記録されており、またヨハネ福音書二一章18節から22節までに記録されているみ言を見ると、イエスが、将来ペテロが殉教するであろうことを暗示されたとき、このみ言を聞いていたペテロが、「主よ、この人(ヨハネ)はどうなのですか」と問うた質問に対して、「たとい、わたしの来る時まで彼が生き残っていることを、わたしが望んだとしても、あなたには何の係わりがあるか」と答えられたのである。このみ言によって、ヨハネが世を去る前にイエスが再臨されるのではなかろうかと待ち望んだ弟子たちもいたのであった。またマタイ福音書一六章28節を見ると、イエスは、「よく聞いておくがよい、人の子が御国の力をもって来るのを見るまでは、死を味わわない者が、ここに立っている者の中にいる」と言われたので、弟子たちは、自分たちが生きている間に、再臨されるイエスに会うかもしれないと考えていたのであった。
このようにイエスはすぐにでも再臨されるかのように話されたので、弟子たちはイエスの再臨を熱望する一念から、ローマ帝国の圧政とユダヤ教の迫害の中にあっても、かえって聖霊の満ちあふれる恩恵を受けて(使徒二・1〜4)、初代教会を創設したのであった。イエスが雲に乗り、神の権威と栄光の中で、天からの天使のラッパの音と共に降臨され、稲妻のごとくにすべてのことを成就されると言われたのも、多くの苦難の中にある信徒たちを鼓舞し、激励するためだったのである。