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sekai ga douka heiwa de arimasuyouni!

② 肉 的 堕 落

アダムとエバは、共に完成して、神を中心とする永遠の夫婦となるべきであった。ところが、エバが未完成期において、天使長と不倫なる血縁関係を結んだのち、再びアダムと夫婦の関係を結んだためにアダムもまた未完成期に堕落してしまったのである。このように、時ならぬ時にサタンを中心としてアダムとエバとの間に結ばれた夫婦関係は、そのまま肉的堕落となってしまったのである。
既に述べたように、エバは天使との霊的な堕落によって受けた良心の呵責からくる恐怖心と、自分の原理的な相対者が天使長ではなくアダムであるということを悟る、新しい知恵とを受けるようになったのである。ここにおいて、エバは、今からでも自分の原理的な相対者であるアダムと一体となることにより、再び神の前に立ち、堕落によって生じてきた恐怖心から逃れたいと願うその思いから、アダムを誘惑するようになった。これが、肉的堕落の動機となったのである。
このとき、不倫なる貞操関係によって天使長と一体となったエバは、アダムに対して、天使長の立場に立つようになった。したがって、神が愛するアダムは、エバの目には非常に美しく見えたのである。また、今やエバは、アダムを通してしか神の前に出ることのできない立場にあったから、エバにとってアダムは、再び神の前に戻る望みを託し得る唯一の希望の対象であった。
だからこそエバは自分を誘惑した天使長と同じ立場で、アダムを誘惑したのである。アダムがルーシェルと同じ立場に立っていたエバと相対基準を造成し、授受作用をすることによって生じた非原理的な愛の力は、アダムをして、創造本然の位置より離脱せしめ、ついに彼らは肉的に不倫なる性関係を結ぶに至ったのである。
アダムは、エバと一体となることによって、エバがルーシェルから受けたすべての要素を、そのまま受け継ぐようになったのである。そのようにして、この要素はその子孫に綿々と遺伝されるようになった。エバが堕落したとしても、もしアダムが、罪を犯したエバを相手にしないで完成したなら、完成した主体が、そのまま残っているがゆえに、その対象であるエバに対する復帰摂理は、ごく容易であったはずである。しかし、アダムまで堕落してしまったので、サタンの血統を継承した人類が、今日まで生み殖えてきたのである。